コンブチャってなに?どう作るの?

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ミルクケフィア」についての投稿でもお話ししたように、私が発酵食品に興味を持ち始めたのが、辛い過敏性腸症候群がきっかけでした。実は、色々と調べている時に一番最初に挑戦したのが「コンブチャ」でした。「あれ?『コンブチャ』って『昆布茶』でしょ?あれって、発酵飲料じゃ無いよね?なにかが噛み合わないな」とあなたも思っているはず。私も初めて耳にした時は、米国人のYoutuberが「美味しい」と進めている動画で、「え?まじで?」と、とても不思議に思いました。なぜなら、昔に昆布茶を外国人の友達に何度か飲ませた事あったけれど、皆んな海臭いって言うし、こんなに流行っているのは、ちょっと怪しいと思ったからです。

色々調べていると、この「コンブチャ」とは、「昆布茶」と無関係であると知りました。

それじゃ、「コンブチャ」って一体何?

コンブチャってなに?

「コンブチャ」とは、ロシア、モンゴルやヒマラヤ、中国など古くから伝わってきた発酵飲料です。紅茶や緑茶などをきび砂糖で甘くして、その中に酵母やバクテリアからなるSCOBY(スコビー)と言う菌塊を入れて発酵させます。SCOBYとは、英語では「Symbiotic Colony Of Bacteria and Yeast」の頭文字で、直訳をすると「細菌と酵母の共生群落」です。要するに菌株ですね。

この菌株は、お茶と砂糖を餌にして増殖し、お茶の表面にヌルヌルつるつるした薄いゴム状の膜を作ります。そして、発酵を続ける事によって次第に分厚くなって成長していきます。また、クラゲの触手のようなものが伸びる事もありますので、もちろん見た目は良く無いのですが、美味しいコンブチャが飲めるようになるとSCOBYが可愛いペットのように見えてきます。私は、話しかけてもいますよ。(笑)

発酵は、数日〜数週間でリンゴ酢のような爽やかな酸味のある飲料水が完成します。発酵する際のスコビーの大きさや室温、発酵期間によって味は大きく変わります。長い時間発酵させるほど、鼻につんと来るようなお酢に変化していくのです。私は、通常4リットルぐらい作っているのですが、現在所有しているスコビーの量からすると、ちょうど一週間ぐらいで好みの味に発酵します。

日本では「紅茶キノコ」として知られていた。

実は日本では、昭和50年代にロシアから持ち込まれ流行っていたのです。キノコに似ている事から「紅茶キノコ」として知られていて、家族の健康を見守るお母さん達の中では、とっても流行っていたそうです。先日、40代の方にコンブチャの話をしたら、「あ!それ母がやってた。懐かしい」と記憶を甦らせていました。「Kombucha」として知られるようになったのは、90年代に米国に渡った時だったようです。消化やデトックスと言った健康効果のあるヘルシードリンクとして定着し、さらに美味しく飲みやすくする為にいろんなフレーバーが出てきて、現在では健康意識の高い人たちの中だけでは無く、一般的に飲まれるようになり、スーパーやレストラン、バー等でも販売されるようになりました。一方、日本ではと言うと昭和50年代の流行りが薄れたようで、主にサプリとして販売されている事が多いのですが、世界のKombuchaブームの波がもうじきやってくると予測しています。

コンブチャと健康への効果

では、コンブチャってなんで健康に良いの?と思っていらっしゃる事でしょう。日本では、ダイエット効果のある酵素ドリンクとして良く目にしますが、海外では万能薬として飲んでいる方々が多くいます。「発酵の技法」の著者であるSandor Ellix Katz氏によると、

数多くの愛好者が、コンブチャを奇跡的な万能薬とみなしている。オーストラリアのコンブチャのプロモーターHarald W. Tietzeは、関節炎、喘息、尿道結石、気管支炎、がん・・・などの病気の治療にコンブチャを用いて効果があったという報告を受け取ったと書いている。

ハーブの研究家のChristopher Hobbsは、・・・「これらの主張を裏付ける科学的なデータは存在しない」とHobbsは書いている。

コンブチャの治療効果についてよくなされる説明のひとつに、コンブチャにはグルクロン酸という我々の肝臓で作られる化合物が含まれていて、これがさまざまな毒素と結びついて体外に排出してくれるというものがある。

と書いている。

これ以上の科学的根拠については、これからの自分のリサーチや宿題でもありますが、今までの経験上、利尿作用がすごい事と消化をとても助けてくれるように感じますし、下記の「コンブチャの楽しみ方」でご紹介する二次発酵で出来るドリンクは大好きです。

コンブチャの作り方

さて、それでは早速作ってみよう。

まず、コンブチャのスコビーを手に入れるところからですね。

株分けをして頂ける友人がいなくても大丈夫。私も色々と探した結果、Amazonで見つけました!培養キットは、米国シアトルから送られてきて日本語の取り扱い説明書までついています。

今回は、私がいつも作っている量でご紹介します。そんなに作りたく無いわと思っていらっしゃる方は、以下をガイドラインとして頂ければと思います。

それでは、始めましょう!

: 3.8~4リットル

材料

  • スコビー
  • 水+スターター液*:3.8~4 リットル
  • 紅茶のティーバッグ:8個(茶葉であれば大さじ4)
  • きび砂糖 / グラニュー糖:1カップ(約200g)
    • 水100mlに対して約5g / 小さじ一杯を目安。
  • 耐熱タイプの広口ガラス瓶 :4リットル(私は、果実酒ビンかドリンクサーバーを使っています)
  • 清潔なキッチンクロス
  • キッチンクロスを止めるゴム / 紐
*「スターター液」とは発酵したコンブチャ液の事です。ご紹介したキットには、スコビーだけでは無く、スターター液も含まれます。スターター液は、酸性化した環境で新しいコンブチャを発酵させやすくする為とスコビーをカビなどの菌から守る役割があります。

ステップ

  1. ガラス瓶を良く洗い、鍋に入れ5分間煮沸消毒をします。(** 以下「注意事項」を参照)
  2. ガラス瓶をトングなどで鍋から取り出し、自然乾燥させます。
  3. コンブチャ用のお湯を沸かしますが、全部沸かさなくても大丈夫です。余った残りの水は、お茶を冷ます為に使ってもOK!
  4. 火を止めて、沸いたお湯にティーバックを入れて4分間蒸らしお砂糖を入れて溶かして下さい。
  5. 出来たお茶は、常温になるまで冷ましても大丈夫ですし、上記でも述べたように残った水で冷ましても大丈夫です。
  6. 冷ましたお茶をガラス瓶に移して、スコビーとスターター液を入れます。
  7. 清潔なキッチンクロスでガラス瓶の口を覆って、ゴム/紐で留めます。(***以下「注意事項」を参照)
  8. 一週間ぐらい清潔で適温(26度~32度)の場所でそっと寝かせて置いてください。(****以下「注意事項」を参照)
  9. 一週間ほどたったら、コンブチャ液を清潔なお玉等で取り出してお召し上がりください。
  10. 同じプロセスをおこなって下さい。この時、必ずスコビーと出来上がったコンブチャ液(作りたい容器の20%程)を新しい容器とお茶に入れて発酵させます。

コンブチャの楽しみ方

楽しみ方は色々ありますが、今日は三通りご紹介します。

  1. 発酵したお茶としてそのまま楽しむ。
  2. コンブチャにカットフルーツまたはフルーツジュースの風味をつけ、冷やして召し上がって下さい。
  3. スイングボトルに冷凍ベリー/カットフルーツとコンブチャ液を入れ、プラスで2~4日間発酵させます。ボトルは密封しているので、菌が出す二酸化炭素が瓶の中に溜まっていき炭酸に変化します。(*****以下「注意事項」を参照)
二次発酵。炭酸化したフルーツ風味のコンブチャ

注意事項

  • ** 培養に使用するガラス瓶は、煮沸消毒をするので、耐熱タイプをお勧めしますが、非耐熱容器しか無い場合は、その容器が入る鍋に常温の水を入れてあらかじめそこに容器を浸けて、水から加熱します。そうすれば、急激な温度差による破損を防ぐことができます。消毒した後は、容器を自然乾燥してください。
  • ***瓶をキッチンクロスで覆う理由は、菌が呼吸出来るように通気性を良くすることとホコリやコバエから守ることです。
  • ****コンブチャが好む適度な温度とは、26度~32度ですが、冬場で寒い場合は発酵が遅くなり数週間かかることがあります。発酵を早めたい場合は、電気毛布で温める等の工夫が必要です。
  • *****スイングボトルにコンブチャ液をいれる際、必ず2cm程のスペースを置いてください。このスペースに二酸化炭素が溜まっていきます。また、ボトルを閉めたまま置いときすぎると破裂してしまいますので気をつけて下さい。夏場は発酵が早いので、破裂するのが怖い場合は、ボトルを一日に一回ほど開けてあげるのも安心です。ただ、ボトルを開けすぎると、炭酸の力が減りますので、炭酸が強めの方が良いけどまだちょっと怖いと言う方は、念のためにダンボールに入れ発酵させる事をお勧めします。
  • きび砂糖、またはグラニュー糖の他にもココナッツシュガーやブランシュガーなど使えますが、発酵速度が落ちますし、個人的には白砂糖で出来るコンブチャの味の方が好きです。
  • コンブチャの菌は、生きていることを忘れないで下さい。瓶を消毒する際に、殺菌消毒薬を塗ってそのまま使ったり、熱い水をかけたりしないで下さい。コンブチャ菌が死んでしまいます。
  • 必ず食用のガラス容器で発酵して下さい。コンブチャ酸は、長い時間金属やプラスチックに触れていると腐食してしまう場合があります。
  • ホコリっぽい場所や空気の流れが多い場所、直射日光の当たる場所、湿気のある暗い場所や動植物の近くに置いたりすることも避けてください。カビの原因になります。
  • 万が一スコビーにカビが生えてしまった時は、全て捨てて最初から作り直しましょう。スコビーかコンブチャ液がなければ、お茶は発酵出来ないのでその時用に「スコビーホテル」で備えるようにお勧めします。「スコビーホテル」とは、単に違う容器にスコビーとコンブチャ液を予備に持っておく事です。
  • 発酵を休みたい場合は、蓋をし冷蔵庫に入れて下さい。発酵がほぼ止まります。また、一週間に一度は蓋を開け新しい空気と入れ替え、甘いお茶を少し入れてあげて下さい。
  • カビは、粉っぽくケバ状で生える場合は、スコビーの表面に生えます。スコビーの下(液体)にたまるものは、カビではありません(カビが生えるには酸素が必要です)。写真でお見せしているように、きれいでツルツルしている表面であれば、問題ありません。
  • 特に酸味が強くなってしまったコンブチャは、胃が弱い方は気をつけましょう。炭酸水や水で薄めてからお召し上がりください。
  • リンゴ酢のような酸味以外に不快な臭いや味がした場合は、飲用をおやめ下さい。
  • 体調の悪い方は、飲まれる前に必ずお医者様にご相談して下さい。(アルコールアレルギー、妊娠中の方、肝臓、腎臓、免疫、甲状腺に異常のある方、胃炎、胃潰瘍の方など)
注釈
この記事に書いてある情報は、私自身が行なっている健康法であり、飽く迄も自分の経験に基づく情報共有です。健康に支障があった場合は、一切責任を負い兼ねます。不安であれば、必ず他の場所からも情報収集を行なって頂き、お医者様に聞いて下さい。自分の健康は、自分で責任をとって常識の範囲で行動して下さい。